赤とんぼの文さんより
御在所山上公園の「ございしょ自然学校」で行われている
「アキアカネのマーキング調査」についてメールをいただきましたので
当ブログへ転載させていただきます。
藤内小屋ボランティア T
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毎年夏休みの期間中に、御在所山上公園の「ございしょ自然学校」で、「アカトンボのふる里さがし」と銘打って行われている「アキアカネのマーキング調査」の押しかけボランティアとして、毎週登山で参加している文さんです。
真夏の暑い時期に3週も続けて登ると、少し楽にアルプスに登ることができると言うものです。肝心なのは、登りの脚力、悪場や下りのバランスとテクニック。そして忘れてはならないのが、危険を察知する注意力です。「真夏でも涼しい顔をして山に登る」ことを目指して、山で壊れない体を作っておきましょう。
ということで、アキアカネのマーキング。今年で43年目だそうです。一口に「赤とんぼ」と言いますが、国内には約20種の赤とんぼがいて、その代表格がアキアカネです。
アキアカネは、春、麓の田んぼに水が入ると孵化してヤゴになり、梅雨時に羽化してトンボになります。アキアカネにとって、25℃が適温と言われ、夏の暑さを避けるため、あるいは涼しい所で成長のスピードを調整して産卵時期を調節するため、などと諸説ありますが、大挙して山の上に上がり、群れ飛ぶ光景は、山屋だったら目にしたことがあるでしょう。
秋になるとアキアカネは麓へ下りていきます。そして10月以降の産卵の時期になって、どこまで広がって行くか。それを調べるために、夏の間に御在所に居たという目印、御在所の頭文字の「G」を翅に書いて放しています。
最初は少人数の有志で行っていたそうですが、今は観光客(もちろん山屋)のみなさんにも協力をお願いして、というか楽しんで頂いてます。大の大人も目の色が変わるからおもしろいですヨ!。
毎年夏の初めには30000頭を目標として始めるんですが、今年は天候不順で数も伸び悩み、先週やっと20000頭を超えたばかりでしたが、最終の土・日、熱心なお客さんがたくさん来てくれて驚異的な追い込みとなりました。私が登った土曜日も、観光客の皆さんの合計が1000頭を超えたのには驚きましたが、両日とも記録表いっぱいの50頭をクリアするばかりか、100頭超えも数組。最終的には26440頭となりました。ほんとうにありがとうございました。
けれども実は、その後が肝心なんです。夏の間御在所に居て、産卵するために山を下りていったトンボを見つけなくてはなりません。これは、自然学校のスタッフだけでは到底できないことです。多くの地域、多くの人数のみなさんに、このような活動があることを知って頂き、見つけて報告して頂くことが、広く情報を得る方法だと考えています。
今のところ、一番遠い所では、福井県敦賀市、そして愛知県吉良町、三重県松阪市から報告がありました。しかし、西の方からの報告がまだありません。アキアカネが飛んでいかないのか、それともマーキングの活動を知る人が名古屋を中心とする東海地区に限られているからなのか・・・・・。
産卵の時期は10月に入ってからですが、そこへ行く途中の通過点の情報があってもいいと思います。距離を伸ばすだけでなく、近距離圏内での目撃情報も重要です。目撃情報が多いほどトンボの飛行ルートなども分かってきて、初めて解明されるトンボの生態なども分かるかもしれません。つまり、大勢の皆さんに多くの場所でさがして欲しいのです。
自宅の近くや、遊びに行った先などで、赤トンボを見つけたら、注意して翅を見てください。赤で「G」と書いてあったら、「○月x日に、ドコソコで見つけたよ〜」と、ございしょ自然学校か御在所ロープウェイに連絡して頂ければ嬉しいです。
藤内小屋に集うみなさんやを始め、山屋のみなさんにも「自然大好き」の輪が広がっていくと嬉しいので、その入口として「G」マークの赤とんぼ(アキアカネ)探しというのもいいのではないでしょうか。トンボをさがしていれば、他の虫達を見ることもあるでしょう。身近な自然に目を向けてもらうことも「アカトンボのふる里さがし」の目的のひとつなんです。
日常が、自然界からドンドン離れる一方の今だからこそ、自然環境を肌で感じ、山と共生できる山屋が増えていけばいいなと思っています。
ございしょ自然学校
http://eccom.jp/school/school.html
059−392−3350
御在所ロープウェイ
http://www.gozaisho.co.jp/
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文さん、ありがとうございました!